栂峰、、山道に佇む神々を訪ねて、、
2016.9.5 (晴れ)
飯豊連峰と吾妻連峰に挟まれ、山形県米沢市と飯豊町、そして福島県喜多方市の境を作るピーク
栂峰(ツガミネ 1541.3m)を散策。
昨年の残雪期に同じ尾根上にある飯森山に登った事や秋には現在でも山岳信仰が息づく
吾妻山神社(中吾妻山中腹)、本元飯豊山(会津若松市闇川)を歩いた事が刺激となり
もう一度登山道脇に多くの神様が祀られたこの山を訪ねてみたくなったのです。
この日は真夏に戻ったような厳しい暑さでしたが趣のある静かな散策ができました^^
国道121号線から飯豊町の小屋集落へ、、
未舗装の林道に車で入り込むと栂峰神社前には立派な幟が立っていました。
この山のお祭りの日は毎年9月8日、白露(しらつゆ 初秋を刻む二十四気)なんだそうです。
その三日前に訪れたわけなんですね。
神社には青々とした笹の葉が吊るされていました。
前日は日曜日だったのでお祭りの為の準備をしていたのかな?
この日は世間が動き出す月曜日、、
周りに人影は無くジブリアニメ『千と千尋の神隠し』の世界に迷い込んだような気分。。、、
登山口はもっと奥にあるので車を走らせます、、
林道は結構な泥濘があるので速度は20kmも出せないような情況^^;
8;20、神社の前を通過。
8;47、林道終点の駐車スペースに車を置き行動開始。
先ずは小沢にかけられた小さな橋を渡ります。
橋を渡ると杉の古木の袂に天照大神と黒瀧神社の祠、、神様の名前を書いた札が新しい。
登らせていただく事に感謝してお参りです。
苔むした風景がいいですね~
しょっぱなから尾根へ向けての急登。
森はブナを中心とした広葉樹と杉の植林地。
9時前だと言うのに可也蒸し暑く汗が吹き出てきました。
ついでに二日前から風邪を引いてしまいくしゃみと鼻水が止まらない情況^^;
ティッシュボックスをザックの一番上に積んでの歩きでした。
若干傾斜が緩くなった所で空を見上げると
「あら、綺麗!」
思わずシャッターを切りましたが私のカメラでは映し出せませんでした。。
お日様の光りを透かしたトンボの羽がキラキラと銀色に輝いていたのです♪
神様がいる風景を上手く写すのは難しい。
9;50、標高1000mくらいまで登ると植林地帯も切れ、若干北東側の展望が利くようになります。
道は綺麗に刈り払いされ登山道と言うよりは参道、、
地元の方々の信仰心が伺い知れます。
この辺が交通の便が良くなるとアプローチの悪いルートは廃道藪化してしまう
観光登山の山とは違うところかな?
尾根筋には巨木が目立つようになります。
写真はヒメコマツ(前)とヒノキ(奥)の幹、、ブナに混じって立派なものが沢山聳えていました。
ブナの巨木に絡みつくイワガラミ、紅葉の頃は綺麗でしょうね。
ヒメコマツの幹元から対流性の水蒸気を撮ってみました、、
この日は午後から大気の状態が不安定になるとの天気予報、、
ある程度スピーディーに行程をこなしたかったが暑さで歩行速度が上がらない、、
取りあえずは巨木達を見上げながらペースを抑えて歩くことに。
10;14、ルート中唯一の水場へ到着。
頭から水を被りたかったが水量は少なめ、諦めて道へ戻りました^^
暑い中、ひたすらの登りですが小さな秋を垣間見る事も。。
熟したナナカマド、、ここまで紅くなれば良い果実酒ができそうだべし。
ドライフラワーとなったノリウツギ。
色付き始めたハウチワカエデは9月になっても続く夏空に戸惑っているかのよう。
10;40、樹木たちを眺めながらの登りの中、屋根だけの祠の御田神社へ到着。
天照大神の祠から2時間近くかかりました。
五穀豊穣を司る神様ですね。
東京都の三田にある御田神社の分霊だべか?
豊穣の神様に感謝しつつ栄耀補給タイム、、梅干し二つとご飯を少々。。粗食だべし!^^
10;59、次に祀られていたのが保倉神社、、この神社も農耕に関係する神様ですかね。
11;04、駒形神社へ、歩を進めるにつれ神様や神社が次々に現れますが
全てが木札だけだったり苔むした祠だったり、、
その素朴さが返って私独自の想像をかき立てます。
駒形神社を少し過ぎた辺りは立派なヒメコマツが聳えていて林床はミツバオウレンの絨毯?
花が旬の頃はきれいでしょうね~
11;09、神武天皇、、さり気ないところに祀られていた様な、、
神武天皇が祀られていた所から先の道はとても伸びやか。
11;14には次に向かう本峰の前衛ピークを確認できました、、
この辺まで来るとヒメコマツやヒノキの樹は無くなりブナと潅木類が優先。
ピークへの登りに差し掛かると北西方向に飯豊連峰が。。。
雪が見えないのはやっぱ暖冬小雪だったことの証かな?
11;22、傾斜を登りきると御室神社が、、富士御室浅間神社からの分霊ですかね。
すぐ近くには釼神社、、
11;25、林床の上に石凝姫神と関取姫神、、二人の女神様、、
関取姫神ってお相撲さんの女神様だべか??
こういう神様は『古事記』を読み解かないと解りませんね。
ただ、ここまで歩いてきて感じた事は
同じ尾根にある飯森山の参道には神社に混じって薬師寺とか血の池とか言う場所があり
神仏混合の名残りがあるのに栂峰の参道は神社と日本古来の神様のみ。
「栂峰の神様は明治の神仏分離以降に祀られたのかな?」
などと考察、、
かく言う私は宛ら『洟をたらした神』ならぬ『洟をたらした疫病神』だったべし、、
ハックション!(>_<) 風邪のウイルスを撒き散らしながら歩いてました。
この辺からオオシラビソの樹が現れ始めます。
山岳誌やホームページ等でも語られていますが栂峰の山頂近くに林立する針葉樹は
山名の栂(ツガ)ではなくオオシラビソなんだそうです、、
11;25、前衛ピークの頂点、蔵王神社着となりました、、
標高は1480mくらい、、『会津百名山ガイダンス』によると小栂峰と言うそうです。
昔はここから飯森山へ向かう道があったようですがその痕跡は復路で探す事としてそのまま通過。
ここからオオシラビソの森の中、コルへの下りとなります。
11;29、市祥島姫神社が出現、、このピークは女神様が多く祀られているようです。
近くにはアサギマダラがいました、、
そろそろ南下の準備かな?
11;44、コルまで下ると中興神社、、
そして稲倉神社、、まさに神々の集うお山。
更に鹿島神と伊左那左神と書かれた札、、鹿島神の手前には古い札が横たわっていました。
山岳信仰息づく銀座通りだべし!
山間の集落と言えば限界集落のイメージ、、
それでも麓の方々はお山の神様を敬う習慣を守っているのですね。
さて、神様たちに参拝した後はいよいよ栂峰頂上への登り返しとなります。
11;59、頂上直下の道、、ここまで登っても道は綺麗に刈り払いされています。
登山道ではなく参道ですね、その標高差1000mに届くかという藪刈り、、
すごい事だと思いますよ、歩いていると言うよりは歩かさせていただいている、、と言った感覚。
12;00、頂上数歩手前で再び神武天皇の札。
その少し奥には少名彦神。
この地点から見る北東方向、置賜盆地が一望でした、、
遠くの稜線は朝日連峰かな?
『神武降臨、秋津島を見渡す、、』 ですね~
12;04、更に数歩進むと栂峰大神の祠、頂上着です♪
今は朽木の袂に佇む祠ですが
『会津日百名山ガイダンス(平成14年版)』には山頂の様子が
『栂峰山頂は神社の境内のように清らかで夏でも涼気につつまれる。
二本の栂の大木が二基の石祠をはさんで直径18mほどの前庭の南に聳える』
と著されていて栂の巨木の写真がモノクロで添えられています。
この文章は『山を訪ねて 会津の日向山 日陰山(平成6年版)』にも同文が著されているので
20年以上前は山頂にこの山の名となる栂が聳えていたのですね、
祠の前に蝋燭があったので灯しお賽銭を上げてお参り。
ここまで無事歩かせてもらった事に感謝です♪
祠の左側へ少し移動すると素晴しい展望地があります。
東に米沢盆地と蔵王連峰、、近くでは対流性の雲がだいぶ育っていました。
南に吾妻連峰、、この位置からだと西大巓が一番近いべか?
その右側の安達太良山塊はとても遠かったのでズーム。
そして南西側すぐ近くには昨年の残雪期に歩いた鉢伏山(左)と飯森山(右)
奥のピークが磐梯山。
栂峰は針葉樹の森なのに向こうの山はブナの森、、
どちらも極相林でしょうが遷移過程が微妙に違ったのですかね?
造山期や地質はどちらも同じで
『約2200万年前~1500万年前に形成された地層
地質年代 : 前-中期中新世
岩相 : 堆積岩類(海成及び非海成層』
(日本シームレス地質図による)
何はおもあれここまで登ると蒸し暑さもいくらか軽減♪
カムイミンタルを眼下に秋虫たちが羽を擦り合わす音を聞きながら梅干3個頬張って10分の休憩。
その後は鼻水をチ~ンして折り返しとしました。
12;51、小栂峰のピークを少し過ぎた辺り、登山道左側に赤い目印を見つけました。
奥は完全な藪ですが多分ここが廃道となった飯森山へのルートだと思います。
少しだけ藪を漕いで見ることに♪
和尚山北尾根やシモフリ新道での失敗を教訓に今回は面倒臭がらず
藪山&沢登り用の山冑をくくりつけてきたのですね~ 藪漕ぎは完璧にOK!だべし!^^
少し漕ぐと稜線が、、多分、あの尾根が飯森へ続いていたと思います。
『会津百名山ガイダンス』と『山を訪ねて』には同文で
思案沢から尾根に突き上げ、栂峰と飯森山を結ぶ道に出て小屋集落からの登山道と
合流するルートが記されていますがこのルートなのだべか?
それとも他に合流ルートがあるのかな?
これ以上漕げば可也タイムロスになる! と言う所で折り返し、、
登山道へ戻り下山としました。
ピストンだけに少々飽きを感じますがやはり深い森を歩くのは良い気分♪
懸念していた積乱雲の襲撃もなさそう、、
往路で出会った神々にお別れの挨拶しながらペースを落としての下山です。
15;00、眼下に天照大神の祠が見えてくると
『千と千尋の神隠し』の世界から現実に戻ったような気分、、、
散策終了となりました。
15;43、車から降りて小屋集落出口付近から栂峰稜線を振り返ると
頂上は積乱雲の中でした。
やっぱ、山歩きは早め早めの行動が大事ですかね?
ルートマップ(小屋集落からの地形図です。クリックで拡大)
登山口からの標高差 約800m
行動距離(水平計測) 約8.8km
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No title
栂峯散策、『千と千尋の神隠し』の世界・・…。
随分とたくさんの神様が居られるのですね。
神武天皇さまに2回もお目にかかるとは驚きです。
お散歩ご苦労様でした。
随分とたくさんの神様が居られるのですね。
神武天皇さまに2回もお目にかかるとは驚きです。
お散歩ご苦労様でした。
郭さんへ
郭さん こんばんわ
麓の集落からの標高差1000m、、
今なお山岳信仰が息づく山でした。
麓の集落からの標高差1000m、、
今なお山岳信仰が息づく山でした。

